--2005/05/28----------
◇「いい関係になりたい、だけど、難しい…」
「ほめ上手・ほめられ上手」と2回にわたって書かせていただいたところ、読
者の方からいろいろと感想をいただきました。ありがとうございます。
私個人の生活の中での体験や実感が、何か考えるヒントになったりお役に立て
る視点の提供になったのであれば、幸いです。
今回は、「人生の基本的構え」に関して最近感じたことを書こうと思います。
人がゲームを繰り返す理由の一つに「人生の基本的構えを確認するため」とい
うものがあるのはご存知のことでしょう。
そしてたいていは、「I am OK, You are OK」ではなく、
「I am OK, You are not OK 」
「I am not OK,You are OK」
「I am not OK,You are not OK」のいずれかであるということも。
少し前、ケンカしながらも長年関係を続けてきたあるカップルに危機が訪れて
いる話を聞きました。
今までも何度か危機はあったようですが、どちらかが関係を修復することを積
極的に行ってきたことでなんとか続けて来られたようです。
でも、今回は違いました。Bさんが疲れ果ててしまって距離を置くようになっ
てきたのだそうです。そして「自分のことなんて嫌いなんでしょう。一緒にい
ても楽しくないのでしょう。」とAさんにことあるごとに言うようになったと
いうのです。
私はAさんの立場からの話を聴いたのですが、Aさんから見たBさんは、かつ
てはそんなことを言う人ではなかったのだそうです。
もっと、元気だったしやさしかったといいます。
どうして今のような感じになったのか理解できないと悩んでいました。
いろいろ聞いていると、どうやらAさんは「I am OK, You are not OK 」の、
Bさんは「I am not OK,You are OK」の構えを持っているようだということが
分かってきました。
もともとそのような構えを持った二人は、互いにとって相手が自分の基本的構
えを確認するのに格好の組みあわせとなって、ゲームという名のケンカをして
きてたようです。
ゲームは習慣化されます。「I am not OK,You are OK」の構えを持ったBさん
は、残念ながらその関係において「I am not OK 」であることを確認し続けて
きてしまったのかもしれないなと思いました。
Aさんはというと、Bさんに対して、これまた「not OK」を助長するようなか
かわりをしてきたように見えました。自分が嫌なこと、反対意見などマイナス
に感じていることや気持ちは伝えても、やってもらってうれしいこと、楽しい
こと、相手のいいところのフィードバックなどはあまりやってこなかったよう
です。
こういう状態になってあらためて、相手に対してプラスの点を言葉にしようと
してもすぐには思いつかないと、Aさんは苦しそうに考え込んでいました。
Aさんもまた、知らず知らずのうちに「I am OK, You are not OK 」を確認す
るような関わり方をして生きてこられたのだと思いました。
互いに好きなのに・・・。どちらの立場もつらいです・・・。
・・・
互いに「OK」と実感できる関係になるには、自分に対しても相手に対しても、
「OK」=「プラスのストローク」が出せるようになることが大切なのだと、
あらためて感じたストーリーでした。
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