遠くで時々雷が不気味に響く中、やっとテントが見えてきた。
張りっぱなしで出かけたテントも、無事立っている。
余談だが、3〜4年前、立山雷鳥沢にテントを張って雄山へ日帰りピストンした時、帰路天候が悪化し強い風雨にみまわれた。
戻ってきたら、テントが突風にあおられて一辺のペグが外れ、1/3回転し、中までずぶぬれになってしまっていた。
幸い、テント場管理小屋にテント用スノコがあった。
土砂降りの中スノコを運び、テントを風が少しでも弱そうなところに移動させて、スノコの上に立て直した。
この旅では、たまたま夫が「キャンプ場で焼肉食べたい!」とテーブル用ガスコンロを担ぎ上げていた。
雨風がたたきつける音に包まれたテントの中で、肉の代わりに寝袋やカッパをあぶって乾かし、無事に眠ることができた。
はじめは「そんな重たいものを・・・」と冷ややかな目で見ていたが、この時ばかりは夫が偉大に見えた。
さあ、小屋まで降りたら、一昨日から目をつけていたケーキセットを食べよう!
15:00双六小屋着
ケーキ&コーヒーセットがうんまいこと!
食べたら早速テントに戻り、体を休めながら1時間ほどゴロゴロする。
南の方でまた雷が響きだした。
そのうちテント場もみるみる灰色のガスに包まれて、さっき降りてきたすぐそばの斜面すら見えなくなってしまった。
今日は早目にスタートして正解だった。
こんな中歩くと、道を間違えたり足を踏み外したりして危険だ。
今回は、天候のよさというラッキーにずいぶんと救われている。
ラジオによると、高山や静岡地方で大雨洪水警報が出ているらしい。
疲れた体にムチ打って、テントの周りに溝を掘る。
一昨晩寒くて寝苦しかったことの対策として、夫のマットを半分に切ることにした。
外人用だからもともと長めのサイズだ。
それぞれの胴体の下にあたる位置にマット、足元にザック、頭に枕を置けば、体のほとんどはカバーできる。
結局雨はこちらにはこなかった。
寒さも雨も心配なく、よく眠れた。
|