ワリモ岳の頂上を越えて南側に出たところ。
こうやって画像で見るとどってことない岩場だが、緊張した。
この南側に出るためには、北側から、足場の幅30cmあるかないかの所をへつらなければならない。
狭い足元、右側は切れ落ちている、左側は岩壁で、黄色と黒のシマシマロープが手すりの代わりにとりつけられている。
バランスを崩したら、谷底まで落ちていってしまいそうだ。
ロープを握る手がこわばる。
この画像で、自分がカメラを構えている所から頂上までの高さは、10mあるかないかくらいだと思う。
これが、地上1mくらいの所だったら、たいして怖くもないかもしれない。
見下ろすと谷まで見えるこの高度感が、恐怖心をあおる。
本来、私は、足元がこころもとなく、手でつかむ物がない場所というのは苦手だ。
ジャングルジムの上に立つと、緊張で足がすくんでしまう。
小学校の頃、クラスにウンテイの上を歩く女の子がいたが、いつも羨望のまなざしでその姿を見ていたことを思い出した。
ここを越える手前で、初老のご夫婦を追いぬいた。
岩場を緊張してへつりながら「奥さん、大丈夫かな?」と気になった。
それから、鷲羽岳頂上へ着くまで、気になって何度も振り返ったが、他のグループが後から2組来たものの、そのご夫婦はとうとう来なかった。
危険を感じて、引き返して谷を下るルートへ行ったと思われる。
そのほうがいい。自分に合った道を歩くことも大切。
ワレモの「ワレ」は「割」という字だと何かで見た。その名のごとく、瓦屋根のような薄さに割れた石版のような石があった。そこだけ少し地層が違うようにも思えた。
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