日頃の運動不足もあって、予想のペースよりだんだんと遅れてきた。
「もういい加減見えてきてもいいだろう・・・」と思っていると、やっと今日の目的地、双六小屋のテント場が見えた。
目を凝らすといくつものテントも見える。
日はとうに山陰に隠れてしまった。
それでもなんとか明るいうちに辿り着けそうだ。
18:00過ぎ、双六小屋へ無事到着。
***
山の夜は寒い。
持ってきたエアーマットが思っていた以上に痛んでおり、空気が全部抜けてしまった。
これでは断熱効果が全くない。厚めに着こんで寝袋に包まる。
それでも、地表からのシンシンとした冷えに、自分の身震で目がさめる。
手が冷たい。かなり冷えてしまったようだ。
目がさめるごとに寝返りをして体と地べたの接地面を変えたり、いろいろ重ね着してみたが、どうにもならない。
こりゃ失敗したな。
しまいには、ザックの中身を全部抜き出し、上半身をその上にゆだねる。
デコボコして不快だ。
それでも、冷えからくる寝苦しさよりはずっとマシだ。
早い登山者が起き始める3時頃、周りの音で目がさめた。
テントの小窓から外を見たら、ちょうど双六池の上に月がかかっていた。
水面に映る月はきれいだろうな。
しかし、寒さと眠さで外に出てまでカメラを構える気がなく、再び眠りにつく。
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