--2004/03/28----------
◇スキル以前のこと
「コミュニケーションスキル」を学び身につけることの難しさを、あらためて感じた一日。
頭で「型」だけ「憶えて」わかったつもりでいて、
身についていないことがまるわかりの、とってつけたような「スキル」や、
本来の目的や意味を理解できていない心のこもらない「形」だけの行為の数々・・・。
誰でも最初はこうなのかもしれない。
私も似たようなことをしていたことだってある。
形から入って身につけていくスキルは、身につくまでの途中地点ではギクシャクする。
でも、それだけでなく、「スキル以前の、人としての他者への接し方・ハート・思いやりの部分」が、
あまり伝わってこないのはなぜか?
その部分を相手に表現できない人が多いのはなぜか?
誰がどんな状態になることをねらって、椅子の位置を動かし、話す場の環境を整えるのか?
その際に、どんな言葉がけを相手にしてあげればよいか?何を相手に確認すればよいか?
対話の最中に、何を目的として、そのスキルをそこで使うのか?
その対話は、誰が、どういう風になっていくことを目的とした対話なのか?
そのために、スキルをどこでどう使うのが効果的なのか?
・・・そういうことの根底にも、まずは、
「スキル」より前に「人」、「一人の人間」として、
相手に敬意と思いやりを持って接するという「姿勢」「心構え」がないと、
どんなに「スキル」を駆使しても、相手とはよい関係を築けない。
敬意と思いやりの無いままのスキルの駆使は、
かえって相手が心を開くことや気持ちが移り変わっていくプロセスなどに悪影響を及ぼすだけだ。
使えば使うほど、相手からの信頼を失う。
自分が間違ったスキルの使い方をして、
相手を語りづらい状況に追い込んで
(相手に語らせない状況、語る気をなくさせる状況を作っていることに気づかない)、
「時間が足りなかったから聞けなかった」はないだろう。
むしろスキルが未熟でも、相手に対する暖かなハートや、
相手の立場に立って本当に心から共感して、
相手のペースに合わせて対話できる人と話した方が、
よっぽど「信頼できる人だ。聴いてもらえた、わかってもらえた。もっと話したい。」と思われることもあるだろう。
相手の立場に立ち、相手を思う気持ちがあれば、
自分本位な「形」だけのスキルの使い方はしないだろう。
カウンセラーにせよ、コンサルタントにせよ、コーチにせよ、管理者にせよ、営業や販売員にせよ、講師にせよ、
コミュニケーションのスキルを学ぼうとする人は、
スキルを学べばコミュニケーション力がアップすると思うなかれ。
スキルは、根底にあるその人の「人間性」があってこそのものなのだ。
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