今朝のワイドショーをみて、なんだか???とモヤモヤに包まれた。
人生は人それぞれというのはアタマでは分かってるけど、苦労したからこそ喜びは大きいのはわかるけど、日々の暮らしのよろこびや味わいは、どこにあるんだろう?
-2001/02/05----------
◇「よりみち」
ペンネーム:もー
有名私立中学校に受かった子供の生活をのぞくテレビ番組があった。
テレビ局がピックアップした子は、
早い子は小学生の低学年から、遅くとも高学年には、塾へ行き始め、
分刻みのスケジュールで毎晩夜遅くまで勉強してきたそうだ。
夢は、ノーベル賞や、医者になって新薬の開発をするなどだが、
そのために目指すところはなぜか東大という。
そういう賞をとったり、有名大学に入れる能力と、
人間的な豊かさや素晴らしさは、別のものだということを、
彼らは知っているのだろうか。
高い地位につきながら、高学歴でありながら、
心は貧しい人たちが、日々ニュースをにぎわしている。
心は机にしがみついているだけじゃ育たない。
「思いやりのある子になりなさい」
「人の痛みが分かる子になりなさい」
「考える力、生きる力を身につけさせよう」
口だけで伝えたって無理だよ。
人の痛みやよろこびをイメージすることも、
人の中でどういい関係を築いて生きていけるかを考える力も、
その子が五感を通して身を持って経験したことからしか生まれない。
どんなに情報としてたくさん与えても、
その想像の源にあたる心に、
そこ子自らが日々の生活の中で、
自分の全身で自分の心でとらえたたくさんの体験がないと。
そこが貧しければ、どんなにたくさんのものを期待しても、
貧しい答えしか生まれない。
思いやりのある子になってほしければ、思いやってあげることだよ。
人の痛みが分かる子になってほしければ、
その子が傷つかないように何でも先回りしたり手出しするよりも、
その子が傷つくことを、自分の力や仲間の力を借りて傷を癒していくことを、
心を鬼にして見守ることだよ。
子供に対して鬼になるんじゃない。
自分の中の不安や心配に対して鬼になるんだ。
そして何よりもまず、その子の痛みを分かってあげることだよ。
考える力、生きる力を身につけさせたかったら、
大人自らがそういう生きざまを見せて、
時には体験を共にしていくことだよ。
そういうことに、たっぷりと時間が必要だよ。
大いなる目標を目指すことは素晴らしい。
が、それ以外のことに目が向かなくなったら、
たとえ目標を達成したとしても、代償に失うものは大きいのかもしれない。
思いがけない発見をするよりみちや、
自分の未知の力や限界を知る冒険、
そういう楽しさや、苦しさを、
こういう子供たちはどれくらい知っているのだろうか?
よりみちなんかするのは時間の無駄だって?
うんにゃ、その時にしかできないよりみちや冒険だってあるのだよ。
大人になって大きくなってからでは、
トトロの森の奥へと続く木々の間にはもぐれないし、
暗い雨の夜道で猫バスに会うこともないのさ。
|